きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

迷信と都市伝説と噂と

説話を読んでいるとありがちな、物事の原因を宗教に求める態度。
隣の家のあの人が死んだのは前世の罪のためだ、とかそういう類のはなし。
どういう心持ちでこの説話は聞かれていたんだろうってずっと不思議だったんです。
宗教施設のPRとして書かれたものなのかなぁ、とか考えてみたり。


でも実は、現代に生きるわたしたちも随分と不可解なものをけっこう信じたりしちゃいます。
コゲを食べると癌になる、とか。
某知事は人格破綻だ、とか。
夜に爪を切るのは良くない、とか。
それって本当の所を突き詰めてみることが出来ないモノコトばかりだから、実はけっこう疑わしい。
だけどなんとなく信じてしまうんですよね。
たしかにコゲは黒いし苦いし危ないかも。食べないに越したことはないや、とか。
裏で何があったのかなんて考える時間はない、どうせ政治家なんて(自分たちと違って)悪いヤツばかりなんだろう、とか。
何がいけないのかよく分からないけど、昔から言われてるんだし、夜に爪切るのは止めとくか、とか。
強く信じてなくたって、なんとなく、迷信に都市伝説に噂に従ってしまうわたしたち。
その「わたしたち」が大きくなると、いつの間にか固定した真実のようになってしまう…そういうことは現代でもまかり通っているんです。


前近代の宗教観、説話観も同じような感覚かもしれないなぁ、そう思います。