緩衝材
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人が現実と折合うときに、急には無理なので「ライナスの毛布」を必要とする。それが「移行対象」です。毛布を抱えている限りにおいて、ライナスは「私」を保ち理性的でいられます。そういった緊急避難として我々が生産するサブカルチャーがあるんだろうなと思います。
大塚英志『物語消滅論』
「緩衝材」としてのサブカルチャー。
グループ学習の材料として絵本が良いとされる理由のひとつも、それが緩衝材になってくれるからだといいます。
子どもの社会である教室に存在する「先生」は緩衝材になれたら良いのかなぁ、なんて夢想します。
あらゆる方向から強く力が掛かっても、押し返さずにその力のままに凹み、力が弱まったところで、あるべき場所へとふんわり戻す。
そんな緩衝材。
でも決して破れない、凹んでも元の形へすっと戻る。
そんな緩衝材。
そんなふうになれたらいいなぁ、柔らかさと強さ。