きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

民主制の本質と弱点

p229
(フランス革命などの民主革命は)もし政治指導者が国民大多数の支持を獲得できるほどの手腕を発揮できるならば、その政府は旧体制の指導者たちにはおよびもつかないほど強大な権力を手中におさめられるということを実証した。その最もめざましい例は国民徴兵制だった。(略)
政治の弾力性と、その権力の拡大。これが西欧文明における民主革命がもたらしたふたつの結果であった。
ウィリアム・H・マクニール『世界史 下』



若者の投票率が低いことに関して、「学校で過ごす時間はいかに規律に従うのか学ぶ時間だ。そんな経験を積んだ若者が政治を自らの手で変えられると思うはずがない。自分たちのルールを自分たちで決める経験を、学校は保証しなければならない。」という意見を聞いて、本当かなぁという思い。
全面的に否定はしないけれど、何か少し引っ掛かる。
長く続いている学校制度に対して、若者の投票率が低いのは最近の話でしかない。
そもそも「民主制」は「自分たちのルールを自分たちで決める」ものなのだろうか。
そして私たちは民主主義を絶対的なものとして捉えがちだけれど、「今までの政治形態よりはマシ」なだけで発展途上な考え方なのだと思う。


上の引用にもあるように、民主制の弱点はわたしたち、「大衆」であるように思う。
今日読んだ菅野完さんの『日本会議の研究』を読んでも、「大衆」というものがいかに不安定で信頼に足るものではなく、かつ動かし易いものと考えられているかが分かる。
うーん、なんでしょうね。大衆って。