きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

「私、出来るわよ」

介護実習の思い出。
「私、出来るわよ」「オレ、やるよ」「大丈夫」「何かやりたいわねぇ」「これくらい自分でやるよ」
そういう言葉を何度も聞いた。
食前のおしぼりを机の人全員分、ぱっと持っていってしまう人。
さっさと歩いては「ちょっと待って」と職員さんに止められる人。
職員の雑用を喜々として取り上げては楽しそうにやる人。


人って誰でも、何歳でも「される」より「したい」生き物なんだなぁと思った。
自分でやる、ってことは有能感を感じること。


元気な大人なら誰にも制限されずにやりたいことをするけれど、子どもやお年寄り、障碍者はどうも制限されがちだな。
「危ないよ」「やってあげるよ」「見ててね」って。
そういう周囲の人の優しさが、有能感をゆっくりと削っていくのかもしれない。
人は命があっても有能感がなきゃ生きてけない。楽しくない。


自身満々で偉そうな80歳のおじいさんがいた。
あれくらいが丁度いいのかもね。