きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

2月5日

今日はアガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人』を読みました。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ミステリーを読むのは久しぶりだったけど、
何気ない手掛かりのひとつひとつが絡み合っていく様が見事でした。
ヘビーなミステリー読者になると、読みながら犯人探しが出来るのかなあ。


ミステリーでなくとも、表現の細部から人物の性格や状況を組み立てることは、読書の醍醐味のひとつですよね。
「テクストは引用の織物」という有名な言葉もありますが、本はけっして作者によって完成されるわけでなくて、言葉を紡ぐ作者とそれを読み取る読者の両者が折り重なることで、本としての意味を為します。
読まれない限りどんな名作も紙とインクでしかない。
読者は書かれた言葉に従う限り、描写の細部から何を組み立てても良いのだと思います。


そういう目線でミステリー小説を捉えると、作者の手の上で転がされている気がして、
少しフラストレーションがたまりますね。
この言葉からこういう解釈をするのは乱暴!とか考えてします。
ライトな読者だからかなあ。


さくっと読めたので、また読んでみましょミステリー。