きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

勉強量×勉強方法

受験シーズンですね。
わたしも中学受験と、大学受験を経験しています。
でも、そういえば受験のことをきちんと言語化したことってほとんどないなあ。
受験勉強を通して得られることは勉強内容に限らず多いのに、
受験が終わると全てをけろっと忘れてしまいがちな気がします。
喉元過ぎれば熱さを忘れるってやつですね。もったいない。
わたしは大学に入ってから大学受験生と関わる機会が少しだけあったので、
その時に話したことは、おぼろげに覚えています。


それは受験勉強は「勉強量×勉強方法」だということ。
勉強は量だけじゃなくてその方法が大事。
過去問をどういう状態で解くかとか、勉強時間と休憩をどう設定するかとか。
自分の勉強スタイルをいかに確立するかが鍵ですよ、というわけです。
まあ考えてみれば当たり前なのですが、実感としてそれを学べたのは貴重だったなあ。


勉強の方法を考える時に一番大切なのは、自分で考えて決めることだと思います。
自分は朝の勉強が得意か夜が得意か、場所は自習室か家かカフェか、
効果的な暗記方法は目視か音読か書き写しか、BGMはあったほうがいいか悪いか、
などなど。
自分で考えることが良い理由の一つは、適切な方法は人それぞれだから。
世の中は情報で溢れていて、「良い」とされるものは勉強方法に限らず沢山紹介されています。
でも、それが自分にフィットするか否かはやってみないと分からない。


もう一つの理由は自分をコントロールできている実感と達成感が持てるからです
受験勉強に限らず、子どもたちは勉強を「やらされて」ばっかりいます。
「社会に出たら価値がわかる」なんて言い訳されながら、勉強の価値と意義を説明されないまま「やらされて」いるんです。



ダニエル・ピンクが『モチベーション3.0』という本で、
「仕事とは、しなくてはいけないからすることで、遊びとは、しなくてもいいのにすることである。」
と言っています。
どんな学びも楽しみも、「しなくてはいけない」ならそれは辛いものでしかない。
逆にどんなに大変な課題も作業も「しなくていい」のに「する」という選択をするなら楽しいものとなる。
…ということです。


受験勉強で学ぶことの多くは学校や塾に決められてしまっている場合がとても多い。
もちろんそれを改善していくこともとても大切だけれど、
せめて勉強方法なら個人個人が自分なりの工夫をこらせる「遊び」となり得るんです。


わたしは受験会場に水筒を3つ持って行っていました。
ふつうのお茶、コーヒーそして氷の水筒です。
ひとつは水分補給に、ひとつは眠気覚ましと刺激に、最後は頭と顔を冷やすため(受験会場はどこも暖房が効きすぎていて暑いのです)。
3つもの水筒を背負って行ったことがどれだけ効果をもたらしたか正直分かりません。
でも、自分で問題点(ex会場は暑い)を見つけて、改善点を考え実行する、というステップは、
とてもやる気と自己コントロール感を与えます。


受験生は勉強方法にこそ頭を使うべき!


モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)