きょうも一日が終わる

きれいなものをきれいな文章で切り取りたい。

感情について

感情や情動について考えたり書いたりするのは難しいですよね〜
形のないものだから一般化しにくいし、それ故に何を語っても「自分の思い」の域を出ない。
数年前に小説の中にある「情動」の研究をしようと思って失敗したことも、もはや懐かしい思い出です。


さてはて、だからといって感情が軽んじられる理由にはなりません。
世の中を動かしているのは理性や論理と感情の二つ。両者は車の両輪の関係にあるとわたしは思うのです。


人が他者と何かを成したり、共に生きていく時に、人と人を繋ぐのは何だろう?と考えると、やはり理性と感情です。
例えば、日本人らしさを表す(?)とされる「隣り組」の関係も、協力しなければ一つの使命を達せないという理性と、隣人間に流れる親和的な感情があってこそ、成り立っていたと思います。
かのヒトラーは大衆の不安を鋭く嗅ぎ取って、感情に訴えかける弁舌と、法を上手く用いて国を動かす知性を持っていたといいます。
どちらが欠けても、物事はうまく回らないのです。
現代は人が孤立した時代だと、よく言われます。本当かなぁとまだ判断できずにいます。
が、何を以って孤立とするか、それは感情の行き来がないことだと考えます。
電車の中で辺り構わず、一人でキレている(としか表現できない)人を見ると、「孤立」をとても感じます。
怒りを誰かにぶつけることが出来る、喜びを誰かと共有出来る、それがひどく難しい時代、なのかもしれません。


ありとあらゆる物語は、感情を内包しています。
物語の可能性を、わたしはまだ考え続けていきたい。